chronic life

I can (not) have relations.

あいくるしい/第三回

ある種のドラマは、ファンタジーとして観た方が純粋に楽しめると想っている。この春クールでも、『恋におちたら』なんかはそんなつもりで観ているし、実際感想にもそう書いている。しかしこの『あいくるしい』は、その「ファンタジー」と云うカテゴリーですら飛び越えて、かの名作『世紀末の詩』のように、「寓話」として楽しむのが一番いいのではないかと想うようになった。それこそが、野島伸司の真骨頂だとも想う。
僕はこれまでの回で、今日が一番面白いと想ったし、初めて涙が込み上げてきた。それは、自分なりにこの作品に最も適した観方に気付いたせいかも知れない。それでも僕は、ただ何も云わず、彼等のあいくるしい姿を観ていたい。たとえその先に、どんな不幸や絶望が待っていたとしても……。