書誌的情報を提示するのが、これほど無駄と云うか野暮と云うか、不要な小説を読んだのは久し振りです。と云うか、別にいつもそんなの全然説明してないですけど。ま、そんなことはこの小説とは全く関係がないので、敢えて今ここにこうして書いている意味が、僕にも殆ど判りませんが。強いて云うなら……云わないけど。
父と仰いでいる高橋某氏が解説で書いているからではないが、僕は綿矢りさの最大の魅力と云うのは、その文章にあると想う。
読み終わった直後に自分が走り書きしたメモにこうあった。特にこの意見を覆すつもりもないので、「俺もそう想う」と書いておこうと想う。が、ストーリーもいい。ストーリーと云うか、物語? いや、どっちか。或いは両方。それにしても、これを上戸彩と神木隆之介で映画化したのは神だと想った。「今、ここ」で良かったね。あ、DVD借りてきて今度観ます。
書き下ろしの短篇についても、少し書いてみようと想う。最初に書いておくと、僕は面白かったです。これまで読んだ『インストール』と『蹴りたい背中』の中で、一番肌に合ったかも。しかし、『インストール』も『蹴りたい背中』も実は結構好きなので、多分「You can keep it.」は相当好きなのかも知れない。が、そんな情熱的な感情が呼び起こる訳でもないところが、僕は余計に好きだったりする。
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- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/10/05
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