「あれもある、これもあるって山のようにきれいなページを見せてくれるけど、全部ただの広告なんだ。いざ、ほんとうにほしかったものに手を伸ばすと、絶対それは手にはいらない。愛だとか、切なくなるほど好きなんて気もちは、絶対続かないようにできてる」(p.33)
以下、各賞についてのコメントです。――はい。ただ、もしかしたら告白とかするかもしれないので、あまり緊張しない感じの店がいいです。(p.149)
なみうちぎわ/中田永一
- 早く単行本を出しま賞
もし仮に、このアンソロジーのシリーズでしか中田永一が書かないのならば、仕方がない。そのためだけにこのシリーズを読み続けるしかないな、と想った。それくらい素晴らしかった。
ハミングライフ/中村航
- 憎いあんちく賞
最初にこのフレーズを想い付いてしまったものだから、全作についてこういった変則的な手法を取っている訳ですが、小説を読んでこんなに恥ずかしい想いをしたのは久し振りでした。「ウロポスト」とか「ウロレター」と云うネーミングセンスは、嫌いじゃないんだけどなぁ。あ、「ウロボロス」に似ているからかも知れない。安直だ……。