早速読了。今、このタイミングでこの本を読めたと云う奇蹟的偶然に、先ず感謝したい。今正に、職を替わろうとしている僕にとって、是程有益で意義のある本が他にあっただろうか? こんなに書かれていることがそのまますんなりと今の自分にフィードバックしていき、是からの人生に光を齎すような感情を与えてくれるものが、他にあっただろうか?
素晴らしい本である。特に今の僕のように、自分の是からの生き方を模索しているような輩にとって、とても心強くやる気を引き出す力を持ったものだ。本書の中に登場する、聴き慣れない言葉「ひらきこもり」。この一言が凡てを云い表していると云っても過言では無い。世界――此処では社会と云い換えても良い――に対して情報交換の回路を開き、色々なデータや商品を送受信し乍ら、それでも敢えて籠っている。部屋に独りでい乍ら、世界中と繋がっているのだ。正に、二十一世紀型の労働スタイルと云えよう。それに何より意味があるのは、それが決してネガティブな意匠を纏っている訳ではなく、皆それぞれに自らの意思でその道を選択し、現状に誇りを持って仕事に当たっていると云う点である。是程素晴らしいことがあるだろうか? 勿論、此処に書かれていることはある一例であって、凡ての人間が同じように成功し幸せになれる保障がある訳ではない。だが、それでも此処で必要なのは、その先に一筋の光があると云う事実である。その事実が、人々にやる気と勇気を持たせ、最初の一歩を踏み込ませる一押しをする。少なくとも、僕は一押しされた。今は唯、その事実だけでもいいのかも知れない――。