最近、再び黒沢清熱が高まっているので、ずっと観そびれていたんですが漸く観ました。公開当時、どうして観ていなかったのか不思議なくらい自分好みの題材だったんですが、これはもう言葉がないですね。そこまでの流れも良かったんですが、終盤二十分くらいの最早どんでん返しとすら云えない斬新な展開が素晴らしくて、観ている最中どうしたらいいのか困ってしまいました。終わり方は全然違うんですが、これはある意味西島大介さんの『アトモスフィア』に匹敵する怒濤のラストだなぁ、と。キャスト的には、役所さんや柄本さんが素晴らしかったのは云うまでもないんですが、ユースケさんの飄々とした狂気と云うのも、案外黒沢映画に合うなぁ、と想いました。それと、結局永作さんの役は最後まで何を考えているのかよく判らなかったのが、逆に良かったです。後、佐藤仁美さんもいい感じでしたね。もうちょっと後半の展開にも絡んでくれていると嬉しかったんですが、それは高望みし過ぎかな。さて、これで想い残すことなく90年代以前の黒沢作品を観始められるなぁ。先ずはやっぱり『カリスマ』かなぁ。楽しみ楽しみ。
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