――などと、責任の重さをますますずっしりと肩に感じるのではあるが、それが結局のところ、あまり気負いやプレッシャーに繋がらないところが、僕の長所でもあり、欠点でもあるのだろう。(p.47)
やってくれたな、竹本さん――。
と云うのが、読後の率直な一言でした。最初から最後まで「竹本健治」が詰まっていて、とにかく読んでいて楽しかった。いや、ここは「娯しかった」と書くべきでしょうか。これほどまでの知的興奮は、そうそう味わえるものではないと想います。ある意味このラストも、賛否両論ではあるんでしょうが(と云うか、これを「否」とするような人には『ウロボロス』シリーズは合っていないような気もしますが)、僕は非常に大満足でした。シリーズがこれで完結してしまうと云うのはかなり残念ではありますが、そこはそれ。一先ず、ずっと積んだままになっている『黒死館殺人事件』と、何気に入手するタイミングを逸していた『入神』を早々に読まなければ、と想いました。そして、今回は全く出番のなかった笠井さんには是非、一刻も早く『天啓の虚』を上梓していただきたいと願うばかりです。今年中と云う訳には、恐らくいかないでしょうが。
- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: 単行本
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