巧いなぁ。伊坂は本当に巧いなぁ、もう。こんなの、感心するしかないじゃないですか。褒めるしかないじゃないですか。一読者として、それがちょっとだけ悔しい。
登場人物は皆魅力的だし、ストーリーの求心力も充分にある。そして何より、ただ単純に先が読みたいと想われる力が素晴らしい。言葉も文意も実に読み易く、頁を捲る手が止まらないとは正にこのこと。これを巧いと云わずして何と云おうか。
それと、メインの登場人物が10人程いると想うんですが、多分きっと誰もが、その中の一人位には自分を重ね合わせることが出来るんじゃないだろうか。だからこの物語は、多くの人の人生が交錯する群像劇であり、尚且つ「あなたの物語」でもあるのだと想う。あなたの「ラッシュライフ」も、きっとこの中に詰まっている。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 文庫
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