chronic life

地下室の屋根裏部屋で

リピート/乾くるみ/文藝春秋

リピート

リピート

読了。絶賛。大絶賛。是は素晴らしい。最高。もう、参った。今年のベスト変更、とか云ってもいい。今なら、勢いでそれ位のこと云いますよ。それ位に良かった、本当に。こういう救いの無い話が好きなのです、僕は。一寸長くなったので、えい!
作中でも示唆されているグリムウッドの『リプレイ』を読んだことがないので、最初に設定を聴いた時、頭に浮かんだのは堂本剛主演の連続ドラマ『君といた未来のために−I'll be back−』だった訳ですが、アレも結構好きでねぇ。何気に(隠れた?)名作だと想っているのですが。設定的には『リピート』にもかなり似ていて、1999年の大晦日の終わり――つまり2000年を迎えた瞬間になると、過去のある時点の自らの肉体の中に意識だけが戻ってしまうと云うもので、骨組みとしては殆ど同じ。多分、ネタは本作同様『リプレイ』から取ったのだと想いますが、それを抜きにしてもかなり面白い作品でした。因みに僕は、本放送と再放送併せて、三回位は通しで観てると想います。まぁ、気になる人はヴィデオが出ている筈なので是非そちらでチェックして戴くとして、『リピート』の話に戻りましょうか。
とは云え、粗筋を書いても仕方ないので、余り書くこともないんだなぁ、正直。凄ぇー面白かったってことと、こういう話好きだなぁってことと、兎に角読め!ってこと位で。事前に読んだ人の話とかで聴いていたよりはそんなにドス黒い感じもしなかったので、まぁそこ迄構えることはなかったかなぁ、と云うのはある。そりゃあ、普通の人が普通に読めば、かなりドロドロだとは想いますが、乾だし、僕はそういうの好きだしね(笑)。辛いもの好きが、うどんに一味唐辛子を丸々一本入れちゃって、それでも「美味しい」と云うようなものなのかも知れないが。
兎も角、僕は大絶賛と云うか全肯定。年間ベストが、又豪いことになったなぁ、と。