chronic life

I can (not) have relations.

恋文 〜私たちの愛した男〜 シナリオ集/岡田惠和

漸く読了致しました、本年6冊目の書籍で御座居ます。云わずと知れた、昨年秋クールに放送された傑作連続ドラマのシナリオ集。我が敬愛する岡田惠和氏の手に因る、珠玉の言葉達。読んでいる途中にも何度となく泣かされ、最終話のクライマックスに至っては、今日帰りの電車で読み乍ら、大号泣必至で御座居ました。いやはや、本当にいい作品でした。特にメインの五人のキャラクターが秀逸で、登場人物が皆善人であり乍ら、お互いのことを想い遣り、傷付けないようにと必死であるからこそ、嘘を吐いてしまう、この刹那さ。そして、主人公の竹原将一の滅茶苦茶で如何しようもないのだけれど、純粋で憎めない性格と、彼を愛する二人の魅力的な女――。凡てが心を打つ。特に僕が好きなのは、妻の郷子で、彼女の見栄っ張りで強気な処を出しつつ、実はとても弱くて淋しがり屋で脆いその姿は、無性に愛おしさを感じさせるのです。人のエゴや我をきちんと描き乍ら、尚且つ人間の心の煌めきを表現させたら、今日本に岡田さんに敵う人はいない!と想わせるその手腕は、正に圧巻。ドラマ本篇と併せて鑑賞すると、更にその魅力は飛躍的に増幅すること請け合い。
さて、次はそろそろ西尾維新(NISIOISIN)の『きみとぼくの壊れた世界』を読もうかな? 後一週間(実質5日)で4冊読まないといけないんで、今日からはピッチの上げますよ、マジで!