chronic life

I can (not) have relations.

HEARTBEAT/小路幸也/東京創元社ミステリ・フロンティア

読了。素晴らしい。ヤバい。とっても切なくて、とってもいい話。それに、どこかで誰かが「『奇跡』の物語」と書いていたのも、素直に頷ける。『セカチュー』とか『いま会い』とか読んで感動している人がこの作品を読んだら、一体何と云うだろうか。この作品も是非、多くの人に読んで欲しいですね。場合によっては、映画化もいいかも知れない。画になるシーンも色々あるし。いや、僕は『セカチュー』も『いま会い』も好きですけどね*1
作品の持っている空気感と云うのが、読んでいて実に心地良い。内容的には時にハードな部分も出てくるのだが、それでも作品そのものの手触りは、何だか無性に優しいのだ。それでいて、読む手を止めさせてくれない、強い求心力を持っている。
そして、タイトルがあまりに秀逸過ぎる。このタイトル、このラスト……。ネタバレになってしまうので、あまり詳しいことは書けませんが、302頁の文字が途切れた後の余白を見て、何とも云えない気持ちになってしまいました。あー、堪能。

HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)

HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)

*1:原作は両方読んでないけど