chronic life

I can (not) have relations.

趣味は読書。/斎藤美奈子/平凡社

一時期、僕もこの本と同じような企画をやってみようかと考えていたことがあったので、とても興味深く読むことが出来ました。面白かったです。要は「この本ってベストセラーらしいけど、周囲で読んでいる人は殆どいないし、何が書いてあるのかよく判らない。一体どんな内容で、どんな人達が読んで(買って)いるんだろう?」と云う、本好きなら一度は考えるであろう素朴な疑問に対して、実際にそれらの本を読んだ著者が、懇切丁寧に中身の概要を報告し、その本が何故売れているのかと云う理由を考察した上に、主な読者層まで推理してくれると云う、何とも有難い一冊なのであります。対象となっているのが、1999年7月から2002年10月までの三年強の間にベストセラーとなった作品なので、些か忘れ掛けていた本もあったりしましたが、それでも大抵タイトルくらいは聞いたことのあるものが殆どで、しかし実際に既読だったのは、紹介されている四十三冊中僅か三冊と、やはり僕も「善良な読者」ではなかったな、と云うことを改めて想い知らされたのでした。因みに僕がやろうとしていた時、念頭にあったのは『DeepLove』とか『あおぞら』とか、後はまぁタイトルは想い出せませんが、そういう類の奴ではありました。今となっては、この本の続篇に期待したい気持ちで一杯ですが。いや、実際ここ三、四年の方が、ラインナップとしてはこの頃よりも更にバラエティに富んでいると想います。それがいいことなのか悪いことなのかは微妙なところですが、益々「善良な読者」が増えているせいなのかも知れません。

趣味は読書。

趣味は読書。