読了。実は最近すっかり麻耶づいていて、先月も二冊麻耶を読んでいたので、この時期に出てくれたことにチョッピリ感謝しております。とは云っても、世間的には久し振りに新刊なんだけど。
まぁ、普通に筋の通った（本格）ミステリーであると共に、非常に麻耶らしい捻くれた作品。デビュー作『翼ある闇』以来の、木更津＆香月コンビによる、麻耶版『名探偵の呪縛』*1？
それは冗談としても、ある意味是は“操り”をテーマとした作品集とも云える。操られるのが“実行犯”じゃなくて、“名探偵”だって処が麻耶らしい歪みであると共に、興味深い点だけど。
後、結局白幽霊って何？とか、香月と夕顔は巧くいってるの？とか、色々気になることもある。まぁ、“本当の”白幽霊の事件については、おいおい長篇ででも語られるのを待ちたいと想う。本当、何時になるか判んないけど（笑）。
一番良かったのは「交換殺人」かな？ 何せ、論理的なようで、実は反則スレスレな感じ。それも是も、「麻耶らしい」の一言で片付けてしまえるのが素晴らしいのだけれど（爆）。それに、「禁区」の高校生の雰囲気とかも好きです。それに、各作品ともラストの締め方が頗る良い。
後、結構核心的なことだけど、多分木更津は天然じゃないと想う。自分のおかれている状況を全部飲み込んで、今のポジションに座っているんだろうなぁ。そういうの好きそうだし。しかし、木更津が気付いてるってことに気付いてないと云う点においては、やっぱり香月の方が劣るのかも知れないなぁ……。
あぁ、結構ネタバレっぽいこと書いたかも。仕舞った。
*1:タイトルの雰囲気だけで、内容は全く違うけど
