chronic life

地下室の屋根裏部屋で

あいにくの雨で/麻耶雄嵩/講談社文庫

再読終了。何かね、好きとか嫌いとかじゃなくて、若しかしたら麻耶作品の中で、是が一番読んでて苦しいかも知れないと想った。面白いし、ラストとか「うわぁ、そう来たかー」って、再読の癖に又唸ってるんだけど、やっぱりね、この作品世界の空気感と云うか、雰囲気が苦しいんですよ、どうも。真綿で首を締め付けられているとか、陳腐な表現で申し訳ないけど、そういう風に感じるんです、私。主人公達が高校生って云うのもあるだろうし、ああいう舞台設定で、ああいうラストだからって云うのもあるだろうけど、やっぱり一番は雨なんですよ。雨がねぇ、人の心を左右するんですよ。夜中に雨降ってる時とかに読んだら、本当背中が薄ら寒くなってしまう感覚、と云うか錯覚なんだけど。
後何気に、麻耶の作品で是が一番恐いかもなぁ、とも想った。恐いとか苦しいとか、マイナスな発言ばっかだけど、好きなんですよ、僕は。合掌――。