読了。
何から語ればいいのだろう? 僕はこの物語について、何一つ語るべき言葉を持ち合わせていない。精々僕に云えるのは、この話の登場人物には固有の名前が出て来ないとか、そういう瑣末なことだけで、ストーリーを追うような言葉はとても僕には吐けそうにない。勿論それは、いい意味でなんだけど。
ある種僕は、この物語に完全服従してしまったとも云えよう。だから、反論出来ないのだ。「そうです、その通り」とか、「全く仰る通り」とか、そういう意味の無い、又何の慰めにもならないような戯言しか、僕は云えない。哀しいけれど……。だから読みたい。僕はこの物語の感想や評論って奴を、少しでも多く読んでみたい。他の人達が是を読んで、一体どんなことを想って、どんなことを語っているのか――。僕はそれを、少しでも沢山知りたい。だから僕は今から、書評を探して彷徨います。アデュー。