chronic life

地下室の屋根裏部屋で

ドラママチ/角田光代/文藝春秋

タイトルの最後が「……マチ」で統一された、八つの作品が収められた短篇集。「マチ=待ち/街」を最も端的に象徴する場所だからなのか、八篇には凡て何らかの形で喫茶店が登場しており、ある意味で本作は喫茶店小説としての側面も持っていると想う。「喫茶店小説」って何だよ?とか云われても困りますけどね。とにかく、読んでいて自分が感じた様々な気持ちを、どんな言葉にしてどう文章化すればいいのか、今非常に戸惑っています。それより、他の人がこの作品を読んで、どの「マチ」のどの辺りにどんな感想を持ったのか、それが大変気になって仕方がありません。と、自分のことを棚に上げたようなことだけを書いて逃げてしまうのは、些か卑怯なような気もしてしまいますので、特に僕の琴線に触れた作品を挙げてみると、「ツウカマチ」「ドラママチ」「ワカレマチ」「ショウカマチ」辺りかな、と。「琴線に触れた」って、便利な言葉ですよね。後、僕は「マチ」と云うよりも「ウケ」なんじゃないだろうか、と痛切に感じてしまいました。似ているようで、この差はとても大きいような気がします。

ドラママチ

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