chronic life

I can (not) have relations.

古道具 中野商店/川上弘美/新潮社

こういう云い方は変かも知れませんが、中野商店だったら僕でも働けるような気がしました。多くの小説には、働いている人やその職場が登場するけれど、自分でも働けそうだと想ったのは、多分これが初めてなんじゃないかな。そして、なるべく長くいたかった。長く、長く、この店にいたかった。ヒトミとタケオの危うい関係に、一番ハラハラさせられたけれど、それはきっと実年齢との近さもあるように想う。しかし、そんなことは差し引いたとしても、p.264の中ほどにある「のたれ死にしている〜」から始める一段落は、特筆すべき素晴らしさじゃなかろうかと。出来れば全文引用したいくらいなんですが、ちょっと長いのと勿体ないのが相俟って、今日のところは止めておきます。とは云え、一番のお気に入りは丸山氏ですけどね。それにしても、川上弘美は本当に凄い。

古道具 中野商店

古道具 中野商店