面白かったです。大筋は一緒ながら、映画とは別物と考えた方が良さそうですが、心理描写とかがより細かく味わえたので、映画の後に原作を読む、と云う行為を最大限に満喫出来たように想います。映画を観た時にはそれほど考えなかった、松子を殺した犯人達に対する云い知れない感情が強く胸を突いて、残響の如く余韻を残していきました。どうして、こんな形で松子さんは亡くならなければならなかったのだろう……と、怒りと哀しみを足して二で割らないような気持ちが、今でも心中を漂っています。そういう意味では、やはり松子さんと云うよりは、笙の方に感情移入して読んでいたようです。それにしても、やり切れない……。文体がとても性に合ったので、他の作品*1も読んでみようと想います。
- 作者: 山田宗樹
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 文庫
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