chronic life

地下室の屋根裏部屋で

嫌われ松子の一生(下)/山田宗樹/幻冬舎文庫

面白かったです。大筋は一緒ながら、映画とは別物と考えた方が良さそうですが、心理描写とかがより細かく味わえたので、映画の後に原作を読む、と云う行為を最大限に満喫出来たように想います。映画を観た時にはそれほど考えなかった、松子を殺した犯人達に対する云い知れない感情が強く胸を突いて、残響の如く余韻を残していきました。どうして、こんな形で松子さんは亡くならなければならなかったのだろう……と、怒りと哀しみを足して二で割らないような気持ちが、今でも心中を漂っています。そういう意味では、やはり松子さんと云うよりは、笙の方に感情移入して読んでいたようです。それにしても、やり切れない……。文体がとても性に合ったので、他の作品*1も読んでみようと想います。

嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)

嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)

*1:取り敢えず、続篇の『ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生』かな