chronic life

I can (not) have relations.

春、バーニーズで

放送から一週間以上経ってしまいましたが、漸く観ました。面白かったです。吉田修一の同名小説が原作で、監督・脚本は市川凖。これはもうちょっと、映画ですね。別にドラマより映画の方が偉いとか、僕は微塵も想ってないんですが、姿勢として非常に映画っぽかったな、と。市川監督の映画は、多分『ざわざわ下北沢』一本しか観たことがないんですが、独特の間とか画面から滲み出る空気感みたいなものが好きだったので、観ていてとても心地良かったです。
主演の西島秀俊さんは、前からちょっと吉田修一の小説*1の主人公っぽいなぁと想っていたので、非常にしっくり来ました。雰囲気と云うか、佇まいが良い。佇まいと云えば、寺島しのぶも佇まいの人である(勝手に断言)。素晴らしい。倍賞さんも、云うことなし。先日の日テレのSPドラマの時は、ちょっと浮いているような気がした栗山千明も、こういう話のこういう役だと、ちゃんと馴染んで見えるから凄いよなぁ。占いのシーンとかハマり過ぎ。ただ、原作未読なんで見当違いな発言かも知れませんが、田口トモロヲさん演じる閻魔の出番がもうちょっとあっても良かったかな、とは想いました。あれだけの出番でも、充分にインパクトありましたけどね。一番好きなシーンは、やっぱり「狼少年ごっこ」のところかなぁ。そのシーン自体の雰囲気や芝居もとても良かったんですが、それ以降、展開も主人公の心境も大きく動き出すと云う意味で、非常に重要なシーンだったと想うので。
そんなこんなで、大変満足致しました。もし、今こういうドラマは地上波では作り難いのなら、これからもWOWOWドラマW枠に期待していきたいと想います。或いは、劇場公開作でもいいのかも知れませんが。
http://www.wowow.co.jp/dramaw/barneys/

*1:例えば「パーク・ライフ