chronic life

I can (not) have relations.

愛しい気持ち

先週の今頃、僕はハーと二人で夜空の下にいた。寒い、極北の風の中で、僕達二人は肩を寄せ合い乍ら、本当のことを語り合っていた。素直な気持ちで、心を裸にしようとしていた。あんなに寒かったと云うのに、彼女に上着を掛けることが躊躇われる程に、僕等は会話に集中していた。それ迄、独りと独りだった僕等は、その時確実に二人になっていたんだ。
そしてあの時――想ったんだ。隣にいる彼女のことを、ずっと大切にして行こう、と。ずっと守って行こう、と。ずっと支え合って行こう、と。ずっと補い合って行こう、と。ずっと見詰め合って行こう、と。時には、疲れてしまう時もあるだろう。心が涸れそうになってしまう時もあるだろう。それでも、僕は彼女の海で心を潤して、彼女も僕の空で翼を休めて、互いが互いを抱き合い乍ら、互いに互いを求め合う。
勿論、多くの他人の存在なくして、今の僕達は在り得ないし、それは是から先もずっとそうだろう。世界中の凡ての人達は、お互いに支え合い、補い合い乍ら生きている。けど、唯僕は彼女の為に存在し、彼女も僕の為に存在していたのだと、今は確信を持って感じている。唯一無二の、たった一人の運命の貴女――。
若しかしたら、是は凡て夢や幻なのかも知れない。凡ては僕の脳が見せている、唯の幻覚でしかないのかも知れない。しかし、それでも僕はこの愛の存在を信じて、信じて、信じ抜いて疑わない。