「ドラマとか漫画とか、人がどれだけ苦労してると思ってんの」(p.97)
でも、あんな奴らのなかで頑張るのが覚悟だとは思えなかった。それはただの我慢で、諦めで、だけど向こうにしてみれば、そんな考え方そのものが弱さでしかなく、僕の意見など通用するはずもない。(p.167)
表題作も良かったけれど、併録された「長い名前」に相当グッと来た。うわー、本当に俺はこういうの好きだなぁ。ちょっと自分でも引いてしまうくらいに。脱臼したビルドゥングスロマンと云うか、何かそういう感じ。いや、そんな言葉で簡単に説明してしまってはいかんなぁ。違う、違います。とにかくこう、僕は心を揺さ振られました。それも、かなり強烈に。
- 作者: 中山智幸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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