chronic life

地下室の屋根裏部屋で

中山智幸『さりぎわの歩き方』文藝春秋

「ドラマとか漫画とか、人がどれだけ苦労してると思ってんの」(p.97)

 でも、あんな奴らのなかで頑張るのが覚悟だとは思えなかった。それはただの我慢で、諦めで、だけど向こうにしてみれば、そんな考え方そのものが弱さでしかなく、僕の意見など通用するはずもない。(p.167)

表題作も良かったけれど、併録された「長い名前」に相当グッと来た。うわー、本当に俺はこういうの好きだなぁ。ちょっと自分でも引いてしまうくらいに。脱臼したビルドゥングスロマンと云うか、何かそういう感じ。いや、そんな言葉で簡単に説明してしまってはいかんなぁ。違う、違います。とにかくこう、僕は心を揺さ振られました。それも、かなり強烈に。

さりぎわの歩き方

さりぎわの歩き方