「見えないでしょ、だって北区ってもの凄い北だよ?」(p.162)
前田司郎は変な小説を書く人である。本書の表題作を読み、その想いはこれまで以上に強まった。しかも、面白くて変な小説を書く人だ。そんな表題作は、タイトルそのままでもあり、タイトルからはとても想像出来ない内容でもある。と云うか、普通こんな小説を書こうとは想わないでしょう。まぁ、書いててどんどんこんな風になっちゃうことはあるかも知れないですが。そういう話の運びが、実に心地良かったです。併録されている「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」は再読。とは云え、ラストを全く憶えていなかったので、ちょっとしたサプライズ・エンディングではありましたが。しかし、ある意味どっちもSFだよなぁ。センス・オブ・ワンダーも、あると云えばあるし。
- 作者: 前田司郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/06/30
- メディア: 単行本
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