生と云うのは、降っている雨粒のようなものなのかも知れない、と想った。要は、雨雲から雫になって滴った瞬間が誕生の時で、地面やら人やらアスファルトやらに打ち当たり、雨粒としての個性を失くしてしまう瞬間が、死なのではないだろうかと――。と云うようなことを読みながら考えていたら、本書の「あとがき」にバッチリ同じようなことが書いてあって、どうにも前田司郎には勝てないなぁ、と云う気になりました。さて、この戯曲を読んだら、笠井潔は一体どんな感想を持つことでありましょうか。どっかで書評とか書いてないかなぁ(書かないかなぁ)。
因みに、本作で念願(だったかどうかは判りませんが)の第52回岸田國士戯曲賞を受賞。おめでとうございます。パチパチパチパチ!
- 作者: 前田司郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (20件) を見る