chronic life

地下室の屋根裏部屋で

津村記久子『ポトスライムの舟』講談社

 正直、併録の「十二月の窓辺」を読み通すのは相当しんどかった。単行本で僅か八十ページ弱の短篇を読むのに、一体何度手を止めて項垂れてしまったことだろうか。しかし、それは文章が読み難いからでも内容がつまらないからでもなく、偏にそこで描かれている状況や心情が、あまりにも僕の心を暗澹たるものにしてしまうからであって、僕にはこれを冷笑したり受け流したりすることは、まだとても出来そうになかった。誰かが云っていた(か書いていた)ように、表題作と読む順番を逆にした方が良かったかも知れない。少なくとも、僕の場合は。

ポトスライムの舟

ポトスライムの舟