chronic life

I can (not) have relations.

「ヘリオテロリズム」Vol.1/感想その3

続きまして二篇。

輪唱ラヴソング/曽良圭@id:helioterrorism

麻耶ですね。麻耶と云うか『夏冬』ですね、是は。そうとしか想えなかった。もしも『夏冬』がライトな感じの恋愛ものだったら……を実践した一篇。そのテーマと云うか材の取り方も非常に好きなのですが、是又文章が肌に合いました。何時迄もずっと読んでいたい感じ。出来れば僕もこういう作品が書きたかったのに、どうしてあんなことになってしまったのか……。今でも不思議です。
最後の〈蛇足・予告・破局〉については、後味の悪い作品が好きな身としては、あって然るべきだったかな、と。あの部分があったからこそ、読んだ後にこんなに心に残るものがあったんだろうと。ファンになりました。新作、待ってます。

キセキ/近田鳶迩@The Neverending Mystery

是もいいですね。語り口と云うか、主人公の一人称が読んでてとても小気味良い。彼とドラえもんとの距離感と云うか拘わり方が何とも微妙で、それが読んでいてハラハラさせる。メインとなる「キセキ」と云う名の機械に関する部分も、何と云うかSFとファンタジーと普通小説の間を浮遊している感じで、その感覚が気に入りました。終わり方もとても綺麗で、そのままフッと微笑んでしまいそうになる。と云うか微笑してしまった(笑)。


ファウスト』Vol.4が手元に来る前に、全部読み終わって感想も書いてしまいたい処。後一篇だから、読んでしまうか。