chronic life

I can (not) have relations.

LOFT ロフト

奇しくも、本日の舞台挨拶で黒沢清監督自身が仰っていたことなのですが、とても一言では説明出来ないような、「うーん、参った」と云うような映画でした。え、一言で云っちゃってるじゃないかって? いやいや、ここで云う「うーん、参った」は、当たり前ですが内容の説明ではなく、僕の率直な感想ですので、まぁそれは一言でもいいじゃあなかろうかと。「うーん、参った」が、感想として成立しているかどうかは別として、ではありますが。主演の中谷美紀さんと豊川悦司さんは、二人共とても好きな役者さんではあるんですが、今回初めて本格的に芝居で絡んでいるところを見て、ちょっと演技の雰囲気が似ているんじゃないかな、と感じました。演じている時の空気感のようなものがとてもよく合っていて、この二人のシーンを堪能するだけでも、本作を観る価値は充分にあるんじゃないかと。それに、とにかくお二人共お美しい。「美しい」じゃないですよ、「お美しい」です。今日の舞台挨拶で生の豊川さんも拝見したんですが、もう本当に堪りませんでしたね。どうしてこんなに格好いいんだろう。それと、西島秀俊さんと安達祐実さんも良かったです。西島さんはね、本当にこういう役は狡いですよ。何かもう、独占市場じゃないですか。今回は、更に二捻りくらいしてある感じでしたけど。安達さんに関しては、「一体どこまで本人が演じていたんだろう?」と云う興味も相俟って、もしかしたら一番引っ掛かった存在かも知れません。それ以外のキャストでは、鈴木砂羽さんと大杉漣さんにはそれぞれそれなりに出番があったんですが、加藤晴彦さんは果たして加藤晴彦さんである必要性があったのか、ちょっと疑問が残りました。いや、駄目じゃないんですけどね。疑問が残ったと云えば、作品自体にも疑問が残りまくりな訳ですが、これはやはり他に観た人と語らって色々と意見を交換すると云うのが、最も有意義な楽しみ方のような気がしました。今度、誰か喋りましょう。先ず、どうしてタイトルが「LOFT」なのか、と云うところから始めたい。後、これは作品自体とは直接関係ないことなんですが、映画館のスクリーンでも人物なんかの輪郭がこんなにもはっきりしていると云うことに、かなりの衝撃を受けました。こんなことなら、もっと早く眼鏡を掛けるべきでした。せめて『ラフ』を観る前までに……。
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