chronic life

I can (not) have relations.

野ブタ。をプロデュース/白岩玄/『文藝』2004年冬季号所収

連ドラが予想以上に面白かったので、珍しく放送途中で原作を読んでみました。今のところ初期設定以外、ドラマと原作は殆ど別物ですね。野ブタの性別が違ったり、彰がいなかったりと云った表面的なことだけじゃなくて、作品の雰囲気やエピソードそのものがまるで違うので、連ドラの方はほぼ木皿さんのオリジナルと云っていいと想う。
で、小説としてどうだったかと云うと、ある一点を除いてはかなり良かったです。普通に面白かったし、高校生くらいの何とも云えない微妙な雰囲気や心情がよく表現されていたし。後半の失速してしまってからの流れも、僕はいいと想いました。と云うか、あのまま何もかもが巧くいったまま終わっていたとしたら、それはそれでどうかと想うし。ただ、笑いと云う意味での面白がるべきポイントが、ちょっと合わなかったと云うか、イマイチ笑えなかったなぁ、と。けど、結局は別に皆そこまで本気で面白くて笑ってる訳じゃない、って空気感を出そうとしたんだとしたら、実によく伝わってきましたけど。
僕はこのラストはアリだと想うし、ドラマの方も出来ればこの終わり方だったらいいなぁ、とさえ想いました。しかし、ドラマの方は既にそれ以外にも色々と伏線らしきものが張られているので、勿論別のラストでも一向に構わない訳ですが。木皿さん、頑張ってー!

文藝 2014年冬季号

文藝 2014年冬季号

野ブタ。をプロデュース

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