今日――12月10日は、『虚無への供物』開幕の日であると同時に、その作者である中井英夫氏の命日でもある。亡くなったのが1993年だから、今年で丸11年と云うことになる。早いものだ。それに今年は『虚無への供物』出版から40年と云う節目の年で、講談社文庫から新たに上下巻として新装版が発売されたり、氏の遺した「呪い」によって書かれたと云っても過言ではない綾辻行人氏の『暗黒館の殺人』や、氏に捧げられたアンソロジー『凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ』が発売されたりもした。こうやって一年を想い返してみると、何とも云えない気持ちになってしまう。こんな時はやはり、『虚無への供物』を読み返そうか。新装版になってからは、一度も読んでないし。丁度いい、機会かも知れない。