再読終了。再読とは云っても、過去に一度だけ読んだのは中学生の時で、約9年前ではなかろうかと記憶している。と云う訳で、大枠と書いてあることの方向性については朧気に憶えていたが、細かいことは殆ど頭から抜け落ちていた。それが、功を奏した形になってます。
云わずと知れた大ベストセラーで、僕の人生にとってセカンドインパクト的衝撃を齎した一冊。僕を今みたいな捻くれ者の頭でっかちにした功罪は、明らかにこの本の責任。兎に角、軽妙で上質なファンタジー小説の中に、哲学数千年の歴史が詰め込まれていて、読者はそれを主人公のソフィーと共に勉強すると云うか味わうと云うか、取り敢えずエライことになります。細かいことは、実際に読んで確認して下さい。損は、しません。
後、この物語は、とても巧妙で優れたメタ・フィクションにも仕上がっていて、特に後半なんかはその一点だけに集中して読んでいったとしても、非常に楽しめる出来となっている。このメタ小説としての面白さは、他の追随を赦さないだろう。恐らく僕の、ある種病的な迄のメタ小説好きの原点は、この小説であると云っても過言では無いでしょう。と云うか是だよ、是。是の所為です(笑)。
又、メタ小説のお約束宜しく、作中には本書と同題の『ソフィーの世界』と云う本は出て来るは、本書とほぼ同じ内容の文章をずっと読み続けている少女も登場し……あっと、是以上はネタバレ必至なので、余り詳しいことは書けませんが、取り敢えず本書は、最上級のファンタジーであると同時に必読の哲学入門書であり、更に謎が謎を呼ぶミステリーでもある。是程様々が顔を見せる訳だから、確かに結構な厚さなんだけど、そんなことを感じさせることもなく、出来れば一気読みしたいと想わせる程のストーリーの強い惹きと、読み易い文章が読者を後押ししてくれる。
元のテキストが長大なだけに、感想も長くなってしまうのですが、取り敢えずこんなもんで。あー、読んで良かった。