時代の流れからはかなり遅れて読了。
今、このタイミングで僕がこの作品を読むと云うことは、非常に深い意味を持ってしまうような気もしますが、それは余り気にしないことにします。取り敢えず、絶賛。
元々、かなり大きな仕掛けがあって、再読して更に面白い、みたいな評判を聴いていたので、大体どんな罠が潜んでいるのか、当たりをつけて読み始めましたよ。まぁ、良くないことかも知れないけど。それでも、それでもね、是は善く出来てるよ。非常に秀逸。ミステリーらしい意匠も、不可解で幻想的な謎や死体なんかが出て来る訳でも何でもないんだけど、是は真っ当な本格ですよ、本格。
それでいて、今の僕なんかには、とても素晴らしい恋愛小説にも想えてしまう。善くある使い古されたようなネタの積み重ねで、人に因っては退屈してしまうかも知れないんだけど、僕にとっては切実な話でね。鼻で笑って済ませられることじゃないんですよ、是は。だから、特にＢ面はね、もの凄い「僕」との同調具合。そんなこと、してる場合じゃないんだけど。
実際は、もっと突っ込んだ話も書きたいのだけれど、そうするとどうしてもネタバレしてしまいそうなので、取り敢えずこの辺で。激しく、既読の人と語り合いたいです。
色々と個人的な心境も相まって、是は年間ベスト級でした。素晴らしい。多分『葉桜〜』より好き。読んでないけど（爆）。と云うか、僕は今正に、イニシエーションに差し掛かっているのかと(ry。
