chronic life

I can (not) have relations.

伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワSFシリーズ Jコレクション

「(前略)すべての仕事は、人間の良心を麻痺させるために存在するんだよ。資本主義を生み出したのは、仕事に打ちこみ貯蓄を良しとするプロテスタンティズムだ。つまり、仕事とは宗教なのだよ。信仰の度合において、そこに明確な違いはない。そのことにみんな薄々気がついてはいるようだがね。誰もそれを直視したくはない」(p.220)

ネタバレ? ネタばらし? とにかく、そういう事態を招く恐れがあるので、続きははまぞうの下に隠しておきます(はまぞうから直接飛んできた人に効果がないのは、非常に致命的ではありますが)。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

本書を読みながら、僕の頭を過ったもの。『神狩り』『ハマースミスのうじ虫』『MONSTER』『羊たちの沈黙』『セブン』『デカルトの密室』『塗仏の宴』『ケイゾク』……。取り敢えず、憶えてるのはそれくらいかな。基本的に、戦争とかそういう(広義の)ドンパチ系は苦手なので読む前はちょっと心配だったんですが、そんなのは全くの杞憂でした。凄く面白かったです。傑作だと想います。もう、ジョン・ポール萌えですよね。え、違う?