chronic life

地下室の屋根裏部屋で

文芸漫談 笑うブンガク入門/いとうせいこう×奥泉光+渡部直己/集英社

もっと早く読めば良かった……と云うのが、今の率直な気持ちです。何せ、僕がここ一年くらいの間に小説について考える際、堂々巡りになっていたことの多くが、既にこの中で語られていたのですから。全く、自分に呆れてしまいます。特に、小説における「断絶」と「ノイズ」と云うものの存在*1に関しては、今正に色々と悩んでいる最中だったので、かなり役に立ったと云うか、参考になりました。それに、やっぱりこんな風に小説について考えたり、誰かと喋ったりするのはとても楽しいことなんだよなぁ、と云うことも再確認出来ましたし。後、せいこうさんの「『ので』の部分が書けない」と云うのが、非常に共感出来ました。それがないと、少なくとも物語にはならないのでしょうが、僕は何とか「ので」なしの小説を書いてみたいなぁ、と云う壮大な野望もあったりする訳です。まぁ、単に「ので」から逃げてるだけなのかも知れませんが。

文芸漫談―笑うブンガク入門

文芸漫談―笑うブンガク入門

*1:「必要性」と云ってもいいかも知れない