そんなに読んで、どうするの？　縦横無尽のブックガイド／豊崎由美／アスペクト

面白かったです。基本的に、人が本を薦めている文章と云うのは概ね好きなのですが、そんな中でもこれは最上級の代物なんじゃないかと。とにかく、紹介される本紹介される本、読みたくなってしょうがなかったです。本当に一体幾つ付箋を貼ったことか、数える気にもなりません。それくらい、薦めるのが巧いと云うことですよ、豊崎さんは。特に「世界文学編」に関しては、殆どが知らない作家・作品だったので、この本のお蔭で、多くの「未知との遭遇」の機会を得ることが出来ました。なかなか一気には読めないような、難物ばかり気に入ってしまったので、ゆっくりと着実に自分のペースで読んでいきたいと想います。僕にとって本書は、ブックガイドと云う一つのとても楽しい読み物であると同時に、ある種の実用書、参考書としても非常に有効だったなぁ、としみじみ想う訳であります。