chronic life

地下室の屋根裏部屋で

バベル消滅/飛鳥部勝則/角川文庫

読了。本当、飛鳥部さんはどれを読んでも面白いなぁ。面白いと云うか、気持ち良く騙してくれる。今回も、決して欺かれないように(或いは本心では欺かれるのを期待しているかのように)、心して読んだのだけれど、それでもやっぱりすっかり騙されてしまった。巧いなぁ。それに好きだなぁ、こういうの。
例によって、途中まではどこにどういう着地をするのか全く判らず、暗中模索な感じだった訳ですが、「二章」が始まった辺りから一気にミステリー色が強くなってきて、「終章」に至るとこれは、どうあっても本格でしか有り得ない、と深く痛感する訳です。
けどまぁ、前作の『殉教カテリナ車輪』がああいう趣向で、今回がこういう趣向となると、ちょっと引いてしまう人がいても仕方ないのかなぁ、と想わないでもない。勿論、僕はその限りではない訳ですが。
これでデビューからの五作は読了したので、次からは刊行順に読んでいこうと想ってます。まだまだ、楽しみが残ってるなぁ。

バベル消滅 (角川文庫)

バベル消滅 (角川文庫)