chronic life

I can (not) have relations.

リヴァーサイドホテルから

目覚めると、隣にはーの笑顔があった。昨日と変わらない愛らしい笑顔。僕より少し前に起きて、湯船にお湯を張ってくれていたはー。朝からイチャイチャとまどろんだ後、お風呂に入って出発の準備――の前に、はーからあるものを見せて貰う。前から話は聞いていた、はーの昔の彼が書いたもの。彼の、はーへの愛溢れる絵や言葉達。ゆっくりとじっくりと、時間を掛けて頁を捲る。是を書いていた彼。それを貰い、受け取り、そして今尚大切にしているはー。そして、今それを見ている僕……。彼の紡いだ言葉が、はーを通して僕に伝わって来る。一人の女性を通して、愛が、言葉が、繋がって来る。言葉では言い表せられない、とても複雑な気持ち。刹那さとも哀しみとも、似ているようでやっぱり違う、不思議な感覚。想わず僕は、窓から外を眺めていたはーを、グッと強く抱き締めていた。後ろから、恰も『あすなろ白書』の取手君のように――。その時の僕には、それしか出来なかったんだと想う。今、確かに傍にいると云うこと。それだけを確かめたかったんだ。確かめたんだ……。この辺りのことは、又改めて別に書くと想う。日記か、手紙か――多分、手紙。
ホテルを出て、朝食を食べる為に、某(元)牛丼チェーンへ。牛丼でも朝定でもなく、二人して焼鶏丼を食べる。並んで食べる、その体勢が何気に好きだったりする。美味しかった焼鶏丼。又一緒に食べようねと、二人で笑い合ったり(笑)。
空港に向かう迄、微妙な時間だったので、少しだけ心残りのカラオケが出来ないものか、お店に向かってみるけれど、未だ時間的に開いてなくて残念乍ら、今回はお預け。又、次があるよね。
そして二人は、暫しの別れの場処に向かうのでした――。