推理小説／秦建日子／河出書房新社

端的に云って、僕は脚本家・秦建日子のファンである。そして、多少はミステリーも読んでいるつもりだ。そんな僕には、秦さんがこの小説を書きたかった気持ちはよく判る。相手を無視して、勝手にこんなことを云うのは筋違いか勘違いかも知れないが、それでも僕にはよく判ると想う。だから、僕はその心意気を買って、この作品を最大限評価しようと想う。生粋のミステリー読みの人には物足りないかも知れない。もしかしたら、読んで「外れ」と想う人の方が多いかも知れない。しかし、彼が小説家としてデビューするためには、第一作でこの作品を書かなければならなかったんだと想う。勿論ファンとしては、「読んで良かった」と想いましたよ。ファン心理丸出しだけど。
話は変わって、この小説を原作に来年1月から始まる連ドラの話。今のところ、雪平が篠原涼子で安藤が瑛太ってところまでは発表になってるんだけど、そうなると瀬崎は一体誰がやるんだろうか？　僕の脳内キャスティングでは、勝手に佐々木蔵之介がいいんじゃないかと想ってたんだけど、そうすると今やっている『今夜ひとりのベッドで』と、出版社の編集者と云う設定が被ってしまうので、ちょっと避けるべきかも知れないなぁ。何はともあれ、ドラマが楽しみです。と云うか、明らかに地上波のドラマでは無理だろうと云う描写も幾つかあったので、その辺の改変具合も含めて。
果たして、秦建日子は第二の野沢尚になるのだろうか……？

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