一人で生きて一人で死んで行くことはもっとさびしいものだと思っていた。
だがいつからか、一人でいることにさびしさなどというものは全く感じなくなった。
誰かと一緒になって生き別れたり死に別れたりそばにいたまま心が離れていく方がよほどさびしい。
孤独死を発見する人は不快でつらいだろう。だが、本人にとってそれは本当に悔いの残る死に方なのか。孤独死とはある意味自然死だ。そのときになってそれを受け入れられるか、悔しく思うかはわからない。そうなってみなければわからない。(p.191-192)
凄い! もうとにかく凄いとしか云いようがない、絲山秋子と云う作家は。
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/09
- メディア: 単行本
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