想い切って、15年前にタイムスリップしたつもりで書きます。角田光代、凄い!
時に、現実から目を背けるために本を読む、と云うようなことがあったりする訳ですが、角田さんの小説を読んでいると、どうにも否応なく自らの現実を見つめ直さざるを得ない心境にさせられてしまいます。読者の心を鷲掴みにするどころか、痛烈な刃を突きつけられたかのような感覚にさえ陥ってしまうのです。最早「凄い」を通り越して、「畏ろしい」と云ってしまいたいくらいに。三篇とも素晴らしかったけれど、特に「無愁天使」には胸を抉られてしまった。ヤバい! ヤバい。ヤバい……。
- 作者: 角田光代,角川書店装丁室
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2003/11/21
- メディア: 文庫
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