chronic life

地下室の屋根裏部屋で

黒き瞳に乾杯

上記のような理由で、初めてリアルタイムで『白い巨塔』を観ることになった訳ですが、やっぱり違いますな、ナマは(笑)。先ず、画面に向ける集中力が違います。ヴィデオだと、何かを一寸観逃したりしたとしても、直ぐに巻き戻せばいいし、アレだったら又頭っからでも観返せるし――と云う、厭な意味での余裕がどうしても出てしまう。それは勿論、宮藤脚本や堤演出のように何度も何度も観返して、その度に小ネタを発見して、独りでほくそえむようなタイプの作品であれば、ある意味正当な観方とも云える。しかし『白い巨塔』のようなタイプの作品でそれをやってしまうと、その余裕が緊張感と集中力を減退させてしまっているの。だから、やっぱりこういう作品はリアルタイムに観るに限る。しかも、出来れば別口で録画したりせずに。いや、やっぱりヴィデオには録りつつナマで観ると(笑)。
で、そろそろ内容の話に移ると、やっぱり僕はこういう腹黒い正統なドラマも大好きなのです。『マンラブ』でウハウハしている自分とは又別の部分で、この作品には別の求心力があるのです。それは、とても豪華で重厚なコントを観るような視点なんだけど(笑)。で、今回漸く教授選(教授戰?)の結果が出て、第一部終了って訳なんですが、正直僕が今回一番心惹かれたシーンは、財前の愛人、ケイ子(黒木瞳)と財前の正妻、杏子(若村真由美)が、財前本人(唐沢寿明)そっちのけで、教授選の結果をお祝いするシーンですよ。いや、アレはいい。素晴らしいな、本当。僕は正直教授選がどうしたこうしたとかよりも、この二人の絡みとか「くれない会」のシーンとかの方が好きな訳よ、ぶっちゃけ(笑)。更に、このシーンの中で一番素晴らしいと想ったのが、会話の流れから不意に二人が緊迫した一触即発のムードになっている最中、ふと笑いが漏れ出してしまう瞬間のケイ子の表情の流れがもう、言葉になりません! 黒木瞳最高ー!としか云えないよ(笑)。あんた凄いよ、本当に! 是ぞ女優の魂込めた芝居!って感じを魅せ付けられましたな、完全に。だから、ラストの財前教授の総回診とかの場面は、結構冷静に観てました。あ、初回の冒頭と巧くシンクロさせたな、とか。けど、今回は一寸演出甘かったな、とかね(爆)。
まぁ兎に角、是からCXでは第一部の再放送をやるみたいなんで、その時に今回の分も録画し直しますよ。だって、あのシーンは絶対又観たいもん。一回だけなんて、勿体無いじゃない(笑)。あぁ、来年はいきなりアウシュビッツか……。重たいの持ってくるよなぁ、新年から。来年の冬クールって全体的に、老舗のTBSがコミカルな感じで、CXの方が重たい感じがするな、何か。『僕と彼女と彼女の生きる道』の予告も暗かったしさ(笑)。