あまりに気付くのが遅過ぎて、逆に新発見をしたような感覚になってしまったんですが、僕がこの映画を面白いと想わない訳がない、とはっきり自覚したのは、漸くエンドロールが流れ出した頃のことでした。原作は絲山秋子のデビュー作「イッツ・オンリー・トーク」で、監督・脚本・主演は、廣木隆一・荒井晴彦・寺島しのぶの『ヴァイブレータ』トリオで、共演は豊川悦司に松岡俊介、田口トモロヲに妻夫木聡に大森南朋と、個人的には眩暈がするほどの豪華さ。公開初日で、上映前に舞台挨拶があったんですが、その時点で既に、僕の瞳はハートマークになってましたね。だってもう、生豊川さんが素敵過ぎて……。いや、勿論他の方々*1も素敵だったんですが。今更フォローしても遅いか。と、ここまで映画本篇のことについて殆ど何も触れていないんですが、もうね、気持ちなんですよ。感覚なんですよ。フィーリングなんですよ。実際に映画を観て、その空気に触れることでしか、感じ得ないものなんですよ、この面白さは。だから敢えて、内容については書かないことにしました。ただ一つだけ云えるのは、原作とはまた違った、別の地平を目指している、と云うことでしょうか。良くも悪くも「やわらかい生活」は、案外一筋縄ではいかないのです。そして、僕の心をグッと掴んで、暫く離してくれそうにありません。原作、読み返そうっと。
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- 作者: 絲山秋子
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*1:僕が観た回の舞台挨拶は、廣木監督・寺島さん・豊川さん・松岡さん・田口さんの五人が参加