いやー、面白かった。笑った笑った。こんなに笑えるとは、想ってもみなかった。とは云え、そうそう他人事のように笑ってばかりもいられないような気もしますが。だってもう、駄目過ぎますよ、この主人公は。僕が云うんだから、よっぽどです。一人の作家にここまで固執したり、何かっちゃあ金の話ばかりなのはまだしも、この短気さとDVっぷりはいかんでしょう。まぁ、全部が全部本当のことだとは想いませんが、正直八割くらいは事実なんじゃないだろうかと想いながら読みましたよ。語り口と云うか、漠然とした雰囲気は車谷長吉っぽい感じもしたんですが、それよりはもっと軽いと云うか、より器が小さい感じが実にいい。いや、友達とかだったらちょっと困りますけど。でも、あれか。「陰弁慶」だから、一緒に住まなきゃ実害はないのか(笑)。某作家に関する今後の展開にも関心がありますが、「女」とのこれからも非常に気になりますね。結局このままいつまでも、ダラダラと続いていってしまいそうだし。現在進行形で追い掛けていきたいなぁ、この人は。
- 作者: 西村賢太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 単行本
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