chronic life

I can (not) have relations.

一人の男が飛行機から飛び降りる/バリー・ユアグロー/新潮文庫

結局、読み始めてから読み終わるまで、十日掛かりました。文庫で丁度400頁なので、それだけ読みあぐねていたと云うことなのでしょうが、そもそも僕の読み方が間違っていたのかも知れないと、巻末の柴田元幸氏の「訳者あとがき」を読んで想いました。毎日寝る前に一篇、或いは数篇ずつナイトキャップのように読み、何箇月か掛けて読み通せば良かったのかもなぁ、と。とは云え、やはり僕は超短編が苦手なようで、かなり精読しても書いてあることがなかなか頭に入ってきませんでした。理由はよく判らないのですが、敢えて言葉にするならば、僕の想像力との相性が悪い、とでも云えばいいのかも知れません。何だかんだ云って、相性ってあると想うんですよね、本と人って。まぁ、時の経過なんかによって、嗜好が変わっていくと云うこともあるとは想いますし、ただ単に現在の精神状態と合わなかったと云う可能性も、ない訳ではないですが。そういう意味では、読むタイミングが悪かっただけなのかも知れません。何とも、云い訳がましい限りではありますが。しかし何より驚いたのは、書名である「一人の男が飛行機から飛び降りる」と云うのが、収録されている短編のタイトルではなく、「スープの骨」と云う作品の書き出しの一文だったと云うことです。

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)