chronic life

地下室の屋根裏部屋で

狗/小川勝己/ハヤカワ・ミステリワールド

読了。よくもまぁ、こんな話を並べて纏めて一冊にしたなぁ、と。全部が全部後味悪くて、非常に爽快でした。いやー、後味が悪いって、なんて素敵なことなんでしょうね。ははは。それにしても、この表紙は如何なものかと……。以下、珍しく各短篇にコメントを。

蝋燭遊戯

これはまだ序の口。と云うか、ラストのオチは悪女のせいじゃないし*1。普通に厭な話。

老人と膿

これはやられたなぁ。後半の展開が凄まじい。特にラストの一文は、鳥肌ものでした。あー、怖っ。

You裡

『まどろむベイビーキッス』とリンクしてそうで、こっちを先に読んだのをちょっと後悔。とにかく、キャバクラには絶対行きたくないと想いました。これも、最後の一文が痺れます。

代償

これが一番後味は悪くないかな。多分、最後の節があるせいだと想うけど。中盤、もっとエロくてもいいかな、と想いました。

夢の報酬

最初は、バンドがメインの普通の青春小説のようで、音楽の話も大分出てくるんだけど……何かがおかしい、何かがズレている、と想ったら案の定ですよ。夢の報酬……夢の報酬ねぇ。あー、背筋が凍る。

狗 (ハヤカワ・ミステリワールド)

狗 (ハヤカワ・ミステリワールド)

*1:ネタバレ?