バイトの行き帰りで即行読了。禁断の書。賛否両論の嵐。元祖地雷本等、様々な二つ名の付いた、ある意味生きた伝説。唯、残念なことに僕が読んだのは文芸社から出たハードカヴァーではなく、今年の春に幻冬舎から出た文庫版だと云うこと。かなりの手直しが加わって、地雷パワー大幅減退したらしい。文章が、そんなに可笑しくない! とは云っても、まぁ気になる処もあるにはある。しかし、そんなことを今更チクチク云っても仕方ないので、良かった点を上げてみよう。
先ず、態々敢えて西暦3000年とかにしてる処。しかもそれらしい描写は一切無し。殆ど今の日本と同じ。是は、褒めるべき処でしょう。僕は買いますよ、このセンス。横浜とか大阪とか云う記述はあるのに、狙い澄ましたかの如く「日本」と云うフレーズは一箇所も出て来ないし。是は完全に確信犯*1的な遊びでしょう。次に、上の奴にも絡んで来ますが、「王様」の設定の泥濘具合。是は正に、裸の王様状態ですね。設定に忠実な駒と云ってしまえばそれ迄ですが、「じい」だとか弟の「王子」だとか、その他家来沢山。この姿は、ある意味旧態依然として変化を嫌う、上下縦社会の組織の汚点そのものな訳で、多分そんなこと迄考えて書いてないだろうけど、ある意味盲目的な忠誠は、滑稽であり、悲劇である。青島が室井さんの指示無しには動けないのと、基本的には同じこと。勿論、室井さんが頂点では無い処がミソだけど。後はやっぱり、初期設定とタイトルの求心力でしょうね。タイトル見て表紙に惹かれて、裏の概略だけ読むと、とっても面白そうだもの。まぁそれが逆に、投げ付けられる要因にもなるのだろうけれど。ストーリーの展開やゲーム自体の穴や矛盾、登場人物個人個人の想いや描き方にも、物申したい部分が結構あるけど、そうは云っても面白かったんだから仕様が無い。文法や日本語が間違ってたって、僕は別に正しい文章が読みたくて小説を読んでいる訳じゃないので気にしません。文を読むのはフィーリングですよ。子供の描く絵と、ピカソの描く画は時に似て見える。それがどちらであれ、画を見ることは素晴らしい。
あ、『リア鬼』についてこんなに長々と書く積もりは無かったのに。一言「読んだよ」位で終わらせたかった。ので、途中は反転表示にしておこう(笑)。取り敢えず、誰か僕にも「ザ・地雷」って奴を教えて下さい。踏ませて欲しいのです。
「ほう」
追記:おいおい、「リアル鬼ごっこ」はキーワードになってるのに、「山田悠介」はなってないよ。誰か編集して上げようよ。例えば、メフィスト賞の女王とか(爆)。
*1:誤用の方の意味