chronic life

I can (not) have relations.

ミステリアス学園/鯨統一郎

読了致しました。いやはや、面白い。実に珍妙な手触りですが、何とも惹き付けられてしまう文体とストーリー。そして何より、作中で語られるミステリー講義を、出来ればもっと初心者の頃に読みたかった。そうすれば或いは僕は、有栖川有栖二階堂黎人の純粋な信奉者になっていたかも知れないのに(笑)。或いは、ポーを皮切りにして、海外古典をしっかりちゃんと順に読み進めて行き、クリスティーやクイーン、ヴァン・ダインやカーの虜になり、本格原理主義者になっていたかも知れない……。勿体無いような、それでよかったような(爆)。
兎も角、ミステリー初心者にも上級のミステリ読みにも、違った意味で正当な面白さを提供してくれる、素晴らしい一作。多少本格を――引いてはミステリー自体を――揶揄している部分は否めませんが、それこそ目くじらを立てる程の問題では無いと想われます。いやぁ、満足満足。捕鯨最高ー!
次は久し振りに小説から離れて、東浩紀氏の名著『動物化するポストモダン』を再読しようと想います。いやぁ、改めて読むと感慨が深まりそうな予感――。