羨ましい。憧れる。これもまた、芥川賞候補になって欲しいなぁ。と云う三つが、この小説を読み終わった後に、頭に浮かんだ率直な気持ちだった。それにしても、中原さんは本当に素直な人だなぁ。或いはそれは、「真っ直ぐさ」と云い換えることが出来るかも知れない。幾度となく繰り返される同じフレーズや文章の中でも、特に僕は「料金メーター」「集金人」「課金」と云った言葉に心を揺さ振られた。こんなに小説らしさに溢れつつ、小説の呪縛から解き放たれようとしている小説と云うのも、そうそう読めたものではないような気がする。いやはや、やっぱり中原昌也は羨ましいなぁ。成り代わりたいとは、想わないけれど。
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