chronic life

I can (not) have relations.

ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生/山田宗樹/幻冬舎

「人間は、どうせ死ぬんだよ。『死』は、特別でもなんでもない。わかってるか? 死ぬのはオレだけじゃない。太郎も言ってたが、笙も、ユリも、いつかは死ぬんだぞ。おめえたちは、自分がいつ、どんなふうに死ぬのか、予想できない。だが、オレはできる。死に方を選べる。それだけの違いだ」
(中略)
「おめえは信じないだろうが、いまは、オレにとって、人生で最高の時間なんだよ。もうよけいなものはいらねえ。ほんとうに必要なものだけを、味わいたい。心地いいものだけに、囲まれていたいんだよ。だから、手術も、抗癌剤も、オレには用無しなんだ。わかったか?」(p.352)

 俺は、すぐには答えなかった。この一瞬が永遠に続いてほしい、と思った。(p.394)

人生における「ゴールデンタイム」とは、一体いつなんだろうか。そんなことを考えて、上記の二箇所を引用してみました。全く正反対の場面のようですが、得てして「ゴールデンタイム」とは、そのようなものなのかも知れません。いや、今の僕にはまだよく判らないですが。副題に「続・嫌われ松子の一生」と付いてはいますが、物語は松子の死の四年後で、主人公は松子の甥である笙と、その昔の恋人だった明日香の二人です。これくらいは書いても大丈夫だと想うんですが、後半に1シーンだけ登場する某社長とか、やっぱいいですよね。半分くらい、映画のイメージですけど。本作だけの登場人物だと、何だかんだ云ってミックが好きですね。もう少し書き込まれていれば、遥太郎だったかも知れませんが。とは云え、やっぱり一番共感してしまうのは、笙だったりする訳です。色々とね、考えてしまいますよ、実際。因みに、ここ最近読んだ中では抜群に「参考文献」の量が多くて、しかもそれがちゃんと内容に反映されている感じが、なかなか良かったです。いや、変な褒め方だなぁとは自分でも想いますけどね。うーん、やっぱスランプだわ、俺が。

ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生

ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生