chronic life

I can (not) have relations.

祈りの海/グレッグ・イーガン/ハヤカワ文庫SF

日本オリジナル短篇集で、十一の中短篇を収録しています。「編・訳者あとがき」で山岸真氏が、「解説」で瀬名秀明氏も指摘しているので、重ねて書くのもどうかと想うのですが、ほぼ凡ての作品に共通するテーマとして、アイデンティティの問題と云うのが大きくあると想います。そういう意味でも、非常に楽しめた一冊でした。特に好きだったのは、「貸金庫」「ぼくになることを」「繭」辺り。「百光年ダイアリー」も印象深いですね。SFはそんなに得意な方ではないので、なかなか読み進めるのに苦労したところもあったのですが、その苦労がしっかり実を結んで、更に余りある素晴らしさでした。

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)