日本オリジナル短篇集で、十一の中短篇を収録しています。「編・訳者あとがき」で山岸真氏が、「解説」で瀬名秀明氏も指摘しているので、重ねて書くのもどうかと想うのですが、ほぼ凡ての作品に共通するテーマとして、アイデンティティの問題と云うのが大きくあると想います。そういう意味でも、非常に楽しめた一冊でした。特に好きだったのは、「貸金庫」「ぼくになることを」「繭」辺り。「百光年ダイアリー」も印象深いですね。SFはそんなに得意な方ではないので、なかなか読み進めるのに苦労したところもあったのですが、その苦労がしっかり実を結んで、更に余りある素晴らしさでした。
- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 文庫
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