chronic life

地下室の屋根裏部屋で

瑠璃の島/最終回

初回を観た時点では、これまでにない壮大で味わい深いドラマになるのではないかと期待していたのだが、最終的には日テレお得意*1の「感動出来るいい話」の枠にスッポリ収まってしまった印象が拭えない。勿論「感動出来るいい話」もいいのだけれど、何かそこから一歩でも踏み出す部分がないと、ドラマとしては突き抜けないのではないかと想う。
特に今回の後半は、メインの島民が全員揃って高原に有効期限なしの「予約券」を差し出したり、あのジャーナリストの書いた記事を見て瑠璃のいた施設から子供が島に来ることになって中学校が再興出来たり、その中学校に小学校教師のさなえが転任してきたりと、有り得ない展開の連続で、正直完全に醒めてしまっていた。前半の瑠璃と母親の遣り取りが良かっただけに、この流れはちょっと勿体ない気がした。
ドラマ全体としても、やはり照明が事故で亡くなった辺りが最大の山場で、その後は徐々に尻すぼみになってしまったような感じがする。
島の風景を映した映像は総じて美しかったし、キャストの演技も概ね良かった。と云うことは、やはり多くの人間でリレーした脚本が拙かったのではないだろうか。個人的には、初回の脚本を書いた森下佳子が最後まで書き切っていたら、どうなっていただろう?と、夢想しないでもない。
それと関係ない話ですが、島を去った高原がいた美容院の外観が、『ビューティフルライフ』の最終回で沖島柊二がやっていた店と似てたなぁ、と。多分、違う場所だと想いますけど。

*1:大抵の局はよくやるけれど