chronic life

I can (not) have relations.

石ノ目/乙一/集英社

読了。いきなり今更なこと云いますけど、乙一の小説って感想書き難くない? 何か、僕は酷く書き難い。面白かったとか好きだとかは幾らでも云えるんだけど、立ち入った話が書き辛いと云うか、何だかねぇ。それでも何とか捻り出そうとしてしまう自分が少しだけ嫌いじゃない。以下、各短篇について。
「石ノ目」は、落としどころはそこしかないだろうなぁーと想ってたところにキッチリ落ちて、まぁ納得と云うか、単純に巧いと想った。母親に想い入れがないと、この執着は判らんけどね。
「はじめ」は、二番目に好きかな。はじめがちゃんと、自分の立ち位置の曖昧さに自覚的なのがいいです。それに、何か昔のことをぼんやり想い出すと、こんなことがあったような気になってしまうと云う。
「BLUE」は、一番ベタかなぁ、と。ディズニーアニメっぽい――ってそのまんまだけど。そういう意味では、設定が外国ってのは確かに正しい。けど、少し普通過ぎないか?とは想う。それに、ブルーがいい奴過ぎるよ。
一番好きなのは「平面いぬ。」かな。やっぱり家族の話に弱いと云う。それに、基本的にこういう話好きでね。『Jam Films』の「ARITA」とか。雰囲気全然違うけど(笑)。主人公が淡々としてるのがいいですよね。

石ノ目

石ノ目

追記

表紙が、実物よりも格好良く見えるんですけど。