chronic life

I can (not) have relations.

釦と薔薇

仕事も終わり、さて帰ろうかと身支度を整える。スーツのジャケットを着、その上にコートを羽織り、前の釦を留めようとする。元々古着屋で売っていたUSEDを、更に私が4年も使い込んでいるので、自分ではなかなか味が出ていると想っている。しかしその弊害か、恐らく最初は三つ釦であったであろうその前身ごろ(?)は、暫く前から釦上下二つ体制になっていたのだ。勿論、自分で洋裁――裁縫して、留めれば良かったのだろうけれど、何時の間にか針と糸を買うタイミングさえ逸し、そのままになっていたのである。そして、今日――。
遂に、その上下二つの内の上の釦が、その帰り支度で留めようとした時に取れてしまった。いや、責任の所在をはっきりとさせよう。私が――取ったのだ。困った。コートの癖に、釦が臍の上辺り一つしかないぞよ。丁度いい具合に、鞄を肩から掛けてコートを抑え付けていたから、帰路は想った程困らなかったが、しかし明日の朝もこのまま出掛けると云うのも、何だかなぁ〜である。が、やっぱり部屋に戻って来て探してみても、我が家にはソーイングセット的なものが何も無いのである。悪い意味で、女臭さが一切ない部屋なのだ。まぁ、男臭さがあるかと云われれば、それは「嗅ぎに来てみて下さい」としか答えられないのである。
以上、戯言一番――。